東京浅草線浅草駅から程近い場所にある「世界のカバン博物館(World Bags & Luggage Museum)」。何度か旅を重ねるうちに自分の旅のスタイルにあったバッグが欲しくなり まずはカバンの知識を増やすところからということで行ってきました。博物館はカバンの製造・販売をおこなっているエース株式会社が運営しており エース本社内にあります。入場無料なので1階で簡単な受付をすますと さっそく博物館のあるフロアへ。
エレベータをおりると広い空間に円筒形の壁で仕切られた展示スペースがあり 壁一面に掛けられていたのは様々なバッグ素材。最初はその向かいにある “カバンの歴史” から見ていきます。カバンの歴史は古く生活様式や服装などにも影響され 徐々に変化していく様子がわかります。人々が自由に旅行ができる時代になり一気に変貌を遂げた印象でした。
円筒形の中の展示は “カバンのひみつ”。カバンづくりの工程や技術などが見られ 分解されたスーツケースの全てのパーツが並べられた展示では 様々な技術の結集であることが感じられます。
ところでカバンカバンと言っていますが カバンとは…
かばん【鞄】※一部抜粋
革またはズックなどで作り、中に物を入れる携帯用具。
Source:広辞苑
カバン博物館の歴史の展示の中ではこのように紹介されていました。
初期のカバンは手胴乱と呼ばれていたが「カバン」という呼称がでてきたのが1873年(明治6年)。1887年(明治20年)には、谷澤禎三が日本で初めて鞄(カバン)という文字を掲げて店を開いたのじゃ!
Source:世界のカバン博物館
博物館の奥のエリアに展示されていたのは世界中から集められたという “世界のカバンコレクション”。この博物館で集められた収蔵品は550点にものぼるそうで そのうちのいくつかが五大陸に分けて並べられていました。
こちらは最初に展示されていた オーク材の木枠に生革を表装したという1950年代に製造されたカバン。大容量で平積みができるこの形は ポーターが荷物を運ぶ船での長旅を想像させます。
カバンの中が見られるものは少なかったのですが やはり特定のものを収納する為につくられた専用のバッグは魅力的で心くすぐられます。こちらは「化粧用具ケース」で1910年代にフランスで作られたもの。様々なサイズのコスメボトルがぴったり収まっています。深さのあるケースのちょうど真ん中の仕切り板にボトル収納が作られているので その奥にも何かが収納できそうです。
五大陸様々な場所から集められているので 中には空き缶や瓶の王冠で作られたカバンなんかもありました。
これだけのコレクションを無料で見ることができるだけでなく Googleストリートビューでも館内を見ることができるようになっていました。ですが訪れることができる方は実際に間近で細部までご覧いただけるとよいと思います。それぞれの時代、それぞれの場所で培われた技術や感性に触れて 今まで知らなかったカバンの魅力を知ることができると思います。
新川柳作記念館 Tyusaku Shinkawa Memorial
世界のカバン博物館の1つ上のフロアにあったのは「新川柳作記念館」。エース株式会社創業者の生涯が会社とカバンの歴史とともに紹介されています。きっと見る人が見れば懐かしいと感じるであろう広告もいくつかありました。
モノづくりの発展に寄与した方の生涯に触れると いつも人がとても好きなんだと感じます。人との縁や使い手のことを大切にし 挑戦と試行錯誤が重ねられた末にこれらの製品が生み出されている。やはりいい人材からしかいい物ができない、いい人がいい物を作るということなのかもしれません。
https://www.ace.jp/museum/
東京都台東区駒形1-8-10
1-8-10 Komagata, Taito-ku, Tokyo
TEL:003-3847-5680