キューバ サンティアゴ・デ・クーバ旧市街の端にある『7月26日モンカダ兵営博物館(Museo 26 de Julio Cuartel Moncada)』。大きく26と掲げられた黄色い建物は正面に広いグランドのある学校で 博物館はこの建物の端にあります。
当時はキューバ革命前の政権を握るバティスタの大規模兵営で 打倒バティスタを掲げた革命組織が最初に武装蜂起をした場所。そして今は博物館となり 入り口には無数の銃痕が襲撃当時のまま残されていました。これを見るだけでも戦いの激しさがわかります。
この7月26日とは革命軍がモンカダ兵営を襲撃した日であり キューバ革命実現の契機となったこの出来事に由来して革命組織の名称にもなっています。フィデル・カストロさんが率いてキューバ革命を起こした革命組織「M-26-7(Movement of July 26th/7月26日運動)」。赤と黒の背景に白字の旗は博物館に展示されていた「M-26-7」のシンボル。
館内にはモンカダ兵営襲撃に関する資料が写真とともに展示されていました。襲撃の経緯や各メンバーの経路。銃撃戦や捕らえられた人たちがうけた拷問の様子。それからユニフォームなど当時の品々も。
こちらはゲリラ戦の際に集められたという薬品など。
キューバ旅の中でこの後何度か目にする「M-26-7」の腕章。誰が作ったのかはわからないけれど どれも手作りで どんな想いを込めて作られたのかと見るたびに思いを馳せてしまいます。
モンカダ兵営の襲撃は121人で行われ そのうち61人が犠牲になったそうです。博物館の最後には犠牲になった61人全員の顔写真が並んでいました。
日本から遠く離れた場所の何十年も昔の出来事で 長い歴史の中の一瞬にしかすぎず 日常に戻ればきっと頭の片隅に追いやられてしまうけれど この場所にいる今だけでも彼らのことを考えたいと思いました。
Avenida Moncada, Santiago de Cuba, CUBA