特有の糸飾りが美しい淀江傘 Yodoe-gasa (Yodoe Umbrella)

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文政4年(1821年)に倉吉から淀江に来た倉吉屋周蔵が 傘屋を開いたことが始まりといわれている「淀江傘」。鳥取県米子市 市街地から少し離れた場所にある『和傘伝承館』へ 製造工程が見学できるということで行ってきました。

あまり広くはない部屋の中に作りかけの傘がいくつも並んでいます。見学用の部屋というわけではなく こちらで普段傘を作られているそうです。

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小骨(柄の根元部分)に施された糸飾りがとても美しい「蛇の目傘」。本桔梗の糸飾りと呼ばれ 淀江傘独自の糸飾りだそうです。また傘の模様が 梅型(女)と亀甲型(男)の2種類があり この地には昔から両親が娘の末永い幸せを願い 蛇の目傘を持たせて嫁がせる習慣があったとか。ちなみに下の写真は梅型。

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こちらは作りかけの「番傘」。淀江で一番多く作られていた傘で 傘の縁に黒い和紙を張ったこの番傘は「裾黒番傘」と呼ばれ 家紋や屋号を入れたりもするそうです。

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和傘が完成するまでには竹切りから始まり70以上の工程があり その中に天日乾燥があります。天日乾燥は開いた傘の柄を砂浜にいくつも並べて突き刺し 乾燥させます。写真で見せていただきましたが その光景はまた趣がありました。

こちらは天日乾燥の際についた砂を刷毛で落としているところ。

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和傘伝承館では和傘作りの体験もできるそうなので 次回はぜひ体験してみたいです。また購入(注文販売)もできるそうなので ご興味のある方はお問い合わせを。

和傘伝承館 Folklore Umbrella museum
 http://www.city.yonago.lg.jp/12868.htm
 鳥取県米子市淀江町淀江796
 796 Yodoe, Yodoe, Yonago, Tottori
 TEL:0859-56-6176