シーラーズ バザーレ・ヴァキールから10分ほど歩いた場所にある「マスジェデ・ナスィーロル・モルク(Nasir-ol-Molk Mosque)」。1888年に12年の歳月をかけて完成したというこちらのモスク。現地の方は “ピンクモスク” と呼んでいました。通りの突きあたりにある入口から中に入ると 中心に池のある広い中庭にでます。池の周りの緑や少し褪せた木製の扉、タイルの柔らかい色あいで温かい雰囲気です。
こちらはアーチの内側にあしらわれた装飾。鍾乳石に似せたデザインでムカルナス(muqarnas)というそう。細かな凹凸1つ1つにまで模様が描かれており 見上げて見ればみる程惹き込まれていきます。タイルに描かれているのはピンクモスクと呼ばれる所以にもなっているピンクの花々。他ではあまり見かけなかった建物が描かれた部分もありました。
その奥にあったのはイマームザーデ(Imamzadeh)。いわゆる廟。ここは中庭の雰囲気とは違い 青を基調としたタイルで幾何学模様が描かれています。
中庭の東側にはアーチを支える柱がいくつも並ぶ 広い列柱空間がひろがっていました。あとで訪れる向かいの礼拝堂と造りは似ているのですが 全く異なる雰囲気。
奥の部屋では昔使用されていた井戸を見ることができるようになっていました。井戸から水を汲む動力に牛を使用していたようで 井戸に設置した滑車から伸ばしたロープを牛に繋いで 地下道を歩かせる様子が再現されていました。昼間でも薄暗い地下道は独特。
いよいよ西の礼拝堂へ。シーラーズへはこの礼拝堂を目的に来る方も多いという人気の場所。ガイドブックやいくつかのサイトでは 冬の早朝にしかステンドグラスが床に映る美しい景色を見ることができないとあり諦めていましたが なんとか見ることができました。
前日夕食をとったレストランの方に 今の時期は11:00〜11:30頃がベストと教えていただき 冬でもないし早朝でもないのに見られるの?と半信半疑でしたが 9月でもこんなに美しい光をみることができました。冬ならもう少し太陽が低く 床一面に光が差し込んだ様子を見ることができるのかもしれませんが大満足。
この日の朝8時頃は確かに建物内に差す日の量がとても少なかったです。ですが一面に敷き詰められたペルシャ絨毯に装飾の施された柱がいくつも並び 天井が美しいタイルで埋めつくされた重厚な建物の雰囲気を味わうなら 観光客も少なくステンドグラスの光が邪魔をしないこういった時間帯に訪れるのもよいと思います。
Lotf Ali Khan Zand Street, Shiraz, Iran