美しいBORO-襤褸-を通して美しい心に触れるアミューズ ミュージアム Amuse Museum

Amuse Museum

東京浅草 浅草寺のすぐそばにある『アミューズ ミュージアム(Amuse Museum)』。布文化と浮世絵の美術館ということで 行きたいと思いつつなかなか行けなかった「BORO美しいぼろ布展 ~ボドコ、生命の布~」を見にいってきました。アミューズ ミュージアムは6階建ての建物で2〜3Fが展示室になっており 1F奥にミュージアムの受付があります。受付をした際案内されたのですが 写真撮影OK、手で触れるのもOKとのこと。

順路にそってまずは常設展の「テキスタイルアート BORO」が展示されているエリアから。こちらに展示されているものは このミュージアムの名誉館長にもなっている田中忠三郎さんが収集されてこられたもの。ドンジャ(着物の形をした掛け布団)から腰巻や足袋など様々なBOROが展示されています。

Amuse Museum

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ほつれた穴からは幾十にも布が重ねられた様子がよくわかります。ほつれた場所をハギレで繕い そこがまたほつれれば別のハギレで繕う。

Amuse Museum

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特別展示でもBOROの魅力が満載。「ボロ」と呼ばれるものが何かということは知識として知っていましたが それでも実物に触れて途方も無い時間と途方も無い手間暇がかけられていることを感じました。展示に添えられた言葉はどれも心を揺さぶるものばかりで「物」を見るというよりそこにどんな想いが宿っているのかを見たくなってしまいます。

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途中「民具倉庫」と題されたエリアでは時計など懐かしいデザインのものがずらり。

Amuse Museum

囲炉裏や山のようなマッチ箱とともに 鉄の急須がいくつもぶら下がったこちらの展示が素敵でした。

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展示の中で一番印象的だったキャプション。田中忠三郎さんが出会ったお婆さんのハギレの話。当時は小さなハギレですら貴重な時代。家族の着物はもちろん 近所の方に分けてあげればとても喜ばれたハギレ。だからハギレはお婆さんにとってとても大切で誇りでもある。そんなハギレが入った包みを取り出し田中さんに見せながら 孫に”貧乏くさいから捨ててしまえ”と言われたと。”捨てろと言われるくらいなら 大事にしないで全部使ってしまえばよかった”とお婆さん。

ものの価値は持っている人によって違う。わかってはいてもはっとさせられる言葉がいくつもそこにありました。田中忠三郎さんの言葉にもっと触れたくなって 帰りに本を手にしてそのまま喫茶店へ。途中何度かこみ上げるものがあり 堪えながら一気に読みました。生きた時代が違うと言ってしまえばそれまでですが 不便でも不自由でも憧れ欲するものがそこにありました。この展示は田中忠三郎さんの言葉とともに見るべきものだと思います。

「物には心がある。」著者:田中 忠三郎
Source:https://www.asmart.jp/

さてミュージアムの続き。BOROの展示を見終え上のフロアへ。途中の階段には浮世への東海道「東海道五十三次」が順に掲げられています。これを見ながら進んだ先に「浮世絵シアター」があり 様々な浮世絵をデジタル映像で見ることができるようになっていました。

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工房やBARを通り過ぎた先には屋上。屋上にでると目の前にビルの隙間にそびえる東京スカイツリーがしっかり見えます。

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反対側には木製のテーブルとベンチがあり 浅草寺を上から眺めながら休憩できるようになっています。屋上から見た浅草寺はとても素敵で 先ほどみた展示の余韻もあり 普段あまり考えもしない事にしみじみと思い耽ってしまいました。

Amuse Museum

アミューズ ミュージアム AMUSE MUSEUM
 https://www.amusemuseum.com/
 東京都台東区浅草2-34-3
 2-34-3 Asakusa, Taito Ku, Tokyo
 TEL:03-5806-1181