メキシコ・シティの北方面バスターミナルから バスで1時間程の場所にある『テオティワカン(Teotihuacan)』。テオティワカンとは「神々の都市」という意味で メキシコ最大の宗教都市国家だそうです。
テオティワカン行きのバスは遺跡が終点ではないので 降りる際は乗り過ごさないように注意が必要です。遺跡は広く3つのバス停があり 今回はゆっくり端から回る予定だったので 最初のバス停1(Puerta1)で降りました。ちなみにメインのピラミッドに近いバス停はPuerta2か3です。バスを降りると入り口で入場チケットを買って中へ。
Puerta1で降りるとまず博物館があり そこを過ぎると目の前に広がるのが城壁に囲まれた広い芝生。遠くに小さくピラミッドが見え とにかくその広さに圧倒されます。
城壁に囲まれ 城塞の後ろに隠れるようにあるのが『ケツァルコアトルの神殿(Templo de Quezalcoatl)』。ピラミッド型で正面に階段があり 壇の側面には神々の像が並んでいます。ライオンのように見えるのは「羽毛の蛇」で 水と農耕の神だそうです。この神殿からは発掘調査で生贄とされた100体以上の人骨が見つかったのだとか…。こういった場所にくると 当時の人々の生活を想像せずにはいられません。
ここから北に位置する「月のピラミッド」まで まっすぐ続く大通りを歩いていきます。右に見えるのがこの遺跡最大の建造物「太陽のピラミッド」。この道を中心に左右にたくさんの建造物が残っています。
こちらは低い階段をのぼった先に壁で区切られたいくつもの部屋があるので おそらく住宅でしょうか。テオティワカンでは 階級や職業ごとにそれぞれの地区で暮らしていたとされています。
特徴的だったのは積まれた石のデザイン。大きな石を点線で囲うように小さな石が並べられています。これはほとんどの建物で見られました。遠くから見る印象と違いとても色鮮やかです。
途中地下と思える場所もありました。そこには神の彫像らしきものも。
それから水路。当時すでに下水道も整備されていたのだとか。高い数学、天文学の知識を操り これだけの建造物を造り上げたのであれば 下水道があったとしても驚きません。
そしてずっと見えていたのに広くてなかなか辿りつかなかった「太陽の広場」と「太陽のピラミッド(Piramide del Sol)」へ到着。このテオティワカン最大の建造物は高さ65mで 世界で3番目の大きさだそうです。またこの巨大なピラミッドは 中にある古いピラミッドを覆うように造られている重層構造になっているのだとか。ここまでくるとやはりすごい迫力。
正面にある階段をのぼって頂上へ。手すりにつかまりながら登らなくてはならないほどの急勾配です。
頂上は岩がごつごつとした少し緩やかな山になっていて 眺めが最高でした。ここから見渡せるずっと遠くの方まで低い緑の林が続いて 当時の人たちも同じような景色をみていたのかな なんて考えてしまいました。
こちらは太陽のピラミッドの頂上からみた月のミラミッド。月のピラミッドに向かって まっすぐ道がのびていることがよくわかります。神話ではアステカの神々が犠牲となって太陽と月を創り出し 太陽になる修行のためにこのピラミッドが建てられたとされています。そんなピラミッドの上に立っているなんて 本当に不思議な気分です。
それから遺跡の中心をまっすぐ通っている「死者の道(La Calle de los Muertos)」を歩いて 死者の道の北端にある「月のピラミッド(Piramide de la Luna)」へ。太陽のピラミッドより少し小さく高さ42m。しかし重要度は月のピラミッドの方が高く 大きな宗教儀礼はここを中心に行われていたと推定されています。
月のピラミッドへ到着すると また急な階段を上って頂上へ。正面のひらけた場所は「月の広場」。死者の道や月の広場を囲うように並んでいる祭壇がよく見え 遺跡を一望するにはここからが一番いい眺めかもしれません。
最後に月の広場近くにある宮殿へ。少し上から見ると細かく仕切られている様子がよくわかります。
宮殿は半地下になっていて 屋内にある壁画が色鮮やかに残っていました。
文字が残されておらず ここにはまだ解明されていない謎がたくさん。謎があるということがまた何かわくわくさせ 想像が全く追いつかない魅力的な場所でした。