Category: #26 of 72 Seasons

極限のリアルさで非現実な人の生と死を見るロン・ミュエク展 Ron Mueck @MMCA Seoul
韓国ソウル 地下鉄の安国駅から徒歩10分ほどの場所にある「国立現代美術館 ソウル館(MMCA Seoul)」。ロン・ミュエク展をやっているということで見に行ってきました。国立現代美術館は今回訪れたソウル館の他に 果川(Gwacheon)館、徳寿宮(Deoksugung)館、清州(Cheongju)館の4つの分館があります。 ソウル館は景福宮と道を挟んだ向かいにあり 赤煉瓦の外観は歴史的な建物が並ぶこのエリアの雰囲気にあっています。館内は広くフリースペースにもいくつか作品が置かれていました。 ミュージアムショップなど気になるところはたくさんありましたが まずはおめあてのロン・ミュエク展へ。初めてロン・ミュエク(Ron Mueck)の作品を見たのは金沢21世紀美術館でのこと。今でもたまに当時購入したアートブックを手にとりながめることがあります。やはり展覧会のメインビジュアルとして使われていた『A Girl』という 5m ほどの巨大な新生児の作品は強烈に印象に残っています。今回は彼の作品を多数見ることができる大規模な展覧会ということで とても楽しみにしてきました。 ロン・ミュエクの作品といえば やはり驚異的なリアルさをもった人間の彫刻といえるでしょうか。生身の人間より生々しく 自分でも気がついていない奥深くのシワまであばかれたような そんな精緻さがあります。 まずは『Mask II』という作品。無防備に眠る男性の大きな顔面。眠りを妨げてはいけないと思いながらなぜか目を離せず覗き込んでしまう そんな感覚になります。 次は体を少し起こして布団の中に身をうずめる巨大な女性を表現した『In Bed』。右手を頬にあて宙を見つめる表情は 朝起き抜けにこれから起こる1日のことを考えているのか 夜眠りにつく前に今日起きたことを考えているのか。 そしてこちらは『Chicken/Man』という作品。下着姿の老人が机の上の鶏と対峙しているところ。無防備な服装なのにリラックスした様子はなく 小さなサイズ感もあいまって滑稽に見せている気がします。 浮き出た血管や毛穴、皮膚のシワやたるみ、なにより皮膚の下に透ける血管がより作品を人間にしていると思うのです。どこをとっても人間そのものなのですが サイズだけが本物の人間ではない。 最後は代表作とされる『Mass』といういくつもの巨大な頭蓋骨で表現された作品。見上げるほど高く積み上げられた頭蓋骨は迫力があり よく見ると1つ1つの骨の色や欠け方が異なることに気がつきます。 素晴らしい作品に魅了されっぱなしで とことん人間を見つめることになるのですが どこか自分とは関係のないものを外側から見ているような なんだか不思議な時間でした。 国立現代美術館 National Museum of Modern and Contemporary Art, Korea(MMCA Seoul)https://www.mmca.go.kr/30 Samcheong-ro (Sogyeok-dong), Jongno-gu, SeoulTEL:+82-2-3701-9500
