街歩きが楽しい人も緑も豊かな谷中 Yanaka Neighbourhood

台東区 山手線と千代田線に囲まれる形で位置する『谷中』。大門剛明さんの小説にでてくる谷中の街がとても魅力的だったので 実際に街を歩きに行ってきました。街歩きのスタートは日暮里駅から。繊維街で有名な商店街へ続く賑やかな東口ではなく 駅舎の屋根と遠くに東京スカイツリーがのぞめる南口へ。

駅を離れて最初に目にしたのは雰囲気のよい土壁。ここは谷中七福神の1つ毘沙門天のいる「天王寺」。きれいに整備された清々しい境内。奈良の十輪院を模したという本堂に仏像 奥に高層ビルが見えるという今と昔がミックスしたような景色です。

そして今回の目的の1つ 天王寺の門から続く「谷中霊園」へ。谷中霊園をまっすぐつきぬける通りの両側には桜の木が植えられていて 今は花の季節も終わり青い葉が綺麗に茂っています。この日は天気がよくて本当に歩いていて気持ちがいい。

こちらはこの通りのちょうど中心あたりにある駐在所。小説に出てくる山ちゃんが勤務している場所。小説では交番となっていましたが 住居と一体となったいわゆる駐在所といった感じでした。小説にでてきた場面を思い浮かべながら 気持ちの良い緑道を抜けていきます。

谷中霊園をでると1車線分ほどの細い道をぶらぶら。下町といった感じの雰囲気の良い店が点々とならんでいます。天気が良くドアを開け放していたり 道路沿いに商品を並べている店が多く たまに覗きながらのんびり散策。あとは寺町というだけあって本当にお寺が多い。

日暮里駅に続く御殿坂とぶつかるあたり「初音小道」と看板を掲げた横丁が。2人で並んで歩いたら道いっぱいになるくらいの道幅。ついつい奥まで歩いてみたくなるような味わいがあります。

そこから人で賑わう御殿坂をくだっていくと 小説の中でなんども登場した「夕やけだんだん」があります。名前の通り夕焼けの絶景スポットで ひっきりなしに人が歩いていました。そして夕やけだんだんをくだった先に見えるのが「谷中銀座商店街」。この日はとにかく凄い人で 小説のなかで

「谷中銀座商店街には七匹の猫の置き物があるの。七福猫っていって場所は時々変わるから、全部見つけるといいことあるかもよ」 by心晴 著:大門剛明

というセリフがあって ちょっと探してみようと思っていたのですが あまりの人の多さに断念…。今度来た時の楽しみにとっておきたいと思います。

商店街の手前の道をまがって また道幅のせまい路地を散策。すぐに行列。行列の先にあるのは「ひみつ(氷蜜)堂」というかき氷屋さん。そしてそのかき氷やさんのポスト。遊び心のあるこういうアートは 見ているだけで楽しい気持ちになるのでとても好きです。

実はこの日食べることができなかったかき氷がどうしても食べたくて 後日整理券をもらい行列に並んで食べてきました。人の手で1つずつ削られていく氷に 旬のフルーツ蜜がいくつかあるなか選んだのは鮮やかな”いちご蜜”。念願のかき氷最高でした。

次に向かったのは小説の冒頭に「ミルフィーユみたいでしょ?」と登場する観音寺有する『築地塀(ついじべい)』。土と瓦を交互につみ重ねてつくられた 30m以上も続く築地塀は独特の雰囲気があります。それもそのはずで 200年以上も前につくられたものだとか。

小説の中で一番多く登場したのではないかと思う『ヘビ道』。主人公の住まいに続く道で 様々な感情とともに登場人物が歩いた道。地図でみるとよくわかりますが へびのように本当にくねくねしています。とくに商店などが並んでいるわけではなく普通の住宅街で けっこう人の往来がありました。昔は藍染川が流れていたために曲がっていると小説の中で紹介されています。

そしてヘビ道の終点あたり とても古くからありそうな本屋さん。無造作に積み重ねられた本はついつい手に取りたくなるような魅力があります。

最後は小春の家の近くにある『根津神社』へ。ツツジの見頃も終盤といった時期で たくさんの人が訪れていました。

つつじまつりの期間中だけ入苑できる「つつじ苑」。満開の時期には ここが鮮やかな赤やピンクの花で埋め尽くされるのでしょうね。

境内はどこも緑が美しくてよかったのですが なかでも見惚れたのは西門付近にある 川越にみる「乙女稲荷神社」。まだ枯れずに残っているいくつかのツツジがまたよかったです。また近いうちにゆっくり来たいと思います。

谷中 Yanaka